工場の建設前に確認しよう!利用できる補助金とは
工場の建設には多額の費用がかかるもの。建設後の運営のことも考えると、なるべく初期投資にかかる費用を抑えたいですよね。この記事では、工場建設に利用できる最新の補助金についてご紹介します。工場建設を検討している人は、ぜひご確認ください。補助金をうまく利用すれば、費用を抑えることができますよ。
2種類の補助金がある
まずは補助金についてご紹介します。補助金とは、経済産業省や地方自治体などが取り扱うもので、中小企業の支援を目的としています。いくつかの応募条件をクリアし、審査に通った場合にのみ交付され、一般的に返済義務はありません。
補助金の種類によっては、申請できる条件や申請書類などが事細かに指定され、厳しい審査を通過しなければならないものもあります。工場の建設の際、申請できる補助金は2種類。工場の用途に関わらず申請できるものと、特定の業種・設備のみ申請できるものがあります。
■工場の用途に関わらず申請できる補助金
工場の用途に関わらず申請できる補助金には、企業立地助成制度があります。企業立地助成制度は、地域未来投資促進法をもとに全国の地方各自治体が主体となって取り組んでいるもの。補助金によって企業を誘致することで、自治体の税収アップや雇用創出を期待した制度です。工場を新設・増設する場合に一定の要件を満たすと受け取れます。
助成制度の内容は自治体によってさまざまですが、(1)固定資産税・都市計画税・事業所税に相当する額の一部または全額をキャッシュバックするものや、(2)土地の取得・工場の建設・設備の導入にかかる費用を補助するもの、(3)新しく住民を雇用した人数分の奨励金の交付などがあります。
また、企業立地助成制度のほかにも、工場の設備機器装置を対象とした「サプライチェーン対策補助金」、工場に設置される冷暖房機や照明器具を対象とした「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」、日本冷媒・環境保全機構による「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」など、さまざまです。
■特定の業種・設備のみ申請できる補助金
特定の業種・設備のみ申請できる補助金には、(1)食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業と、(2)ものづくり補助金などがあります。
(1)食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業は、農林水産省が取り扱っているもので、HACCP(ハサップ)という世界共通の食品衛生管理基準に沿った食品の管理・加工を行う工場を整備する際に申請できます。交付額は1企業あたり250万~5億円で、交付率は30~50%です。
(2)ものづくり補助金は、中小企業庁によるもので、中小企業・小規模事業者が新たにサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う工場を整備する際に申請できます。令和3年度からは、新規事業やサービス改善にかかる設備投資だけでなく、医療・衛生関連商品やサービスに関する設備投資にも適用されるようになったため、要チェックです。
補助上限は、一般型であれば1,000万円、グローバル展開型であれば3,000万円です。また、補助率は通常枠であれば、中小企業は1/2、小規模企業者・小規模事業者は2/3。低感染リスク型ビジネス枠であれば、2/3でそれぞれ交付されます。
事業再構築補助金もチェックしてみよう
事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応するための事業再構築をサポートするための補助金で、経済産業省が取り扱っています。新型コロナウイルスの感染拡大によって、従来の事業展開が難しくなった企業や、感染防止対策として新たな設備・機械・システムを導入しようと考えている企業が対象です。
1社あたり100万~1億円、補助率は2/3です。補助対象経費は、建物の建築費・改修費、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費、広告宣伝費、販売促進費、研修費など幅広いのも特徴です。
目的に合わせて申請しよう
利用できる補助金にもれなく申請するためにも、まずは工場の用途や目的を明確にしましょう。そして、その目的に合った補助金をリサーチすることが重要です。また、工場を建設することで増員が必要になるならば、雇用調整の補助金・助成金も申請できるので、チェックしてみてください。
企業立地助成制度を利用するならば、対象地域に工場を建てなければなりません。いくつかの地域を候補に挙げ、比較検討することをおすすめします。
この記事では、工場建設に利用できる最新の補助金についてご紹介しました。補助金を利用できるか否かで、初期投資にかかる費用は大きく左右します。
建設後の運営のことも考えると、利用できる補助金にもれなく申請したいもの。地方自治体が取り組む企業立地助成制度や、中小企業庁によるものづくり補助金、事業再構築補助金など、さまざまな補助金が用意されているので、目的に合わせて申請しましょう。
また、補助金は毎年の予算の審議によっては補助金の公募がない年もあるため、申請したいのならば、早めに計画することが重要です。