特殊倉庫の用途・構造・基準を徹底解説!建築前に知っておきたいこと

公開日:2023/06/15  最終更新日:2023/05/23

特殊倉庫

特殊倉庫という言葉を聞くと、日常生活とは無縁であると考えてしまうときがありますが、実はそのようなことはありません。普段利用している施設なども該当している場合があります。ここでは特殊倉庫を建築しようと思っている人が、建築前に知っておきたいことを紹介。まず、用途や種類を詳しく解説するので参考にしてください。

特殊倉庫って何?種類や用途を詳しく解説!

一般の人からすると、倉庫はどれも同じようなものであるという認識をもっているでしょう。

しかし実際は、特殊な機能性をもっている倉庫は、特殊倉庫に分類されています。

たとえば、低温で常時保管することが求められている食材を保管するときは、一般的な倉庫では対応できません。その一方で、常温で保管しても問題ない家具などであれば、一般的な倉庫に保管しても問題ないでしょう。

自動倉庫

業務の一部や業務のすべてを自動化した倉庫を指します。

こちらでは、労働人口不足を解消するために、コンピュータが一元管理しています。これにより、ヒューマンエラーの発生を防止できるだけではなく、決められた時間内に計画した作業量をこなせるようになっています。

冷蔵倉庫

10℃以下の低音で保管する施設を指します。

それぞれ保管する温度帯により、区分が設けられているのが特徴です。チルドやフローズンなどの用語は、業界で勤務していない人でも馴染みのあるものになっています。

危険物倉庫

屋内貯蔵所が正式名称になります。

毒物や劇物を連想する人もいますが、危険物倉庫で保管するものはそのようなものではなく、引火性や発火性があるので、通常の状態で保管するのに適さないものです。

たとえば、ガソリンや灯油などが該当します。日常生活とは無縁ではなく、身近なものが危険物に指定されていることは珍しくありません。

特殊倉庫の建築に必要な構造や安全基準とは

特殊倉庫は、法律で定められている基準を満たす必要があります。

また、消火に必要な設備を設置しなければいけません。

厳しい規定が定められており、学校、体育館、病院などの建築物だけではなく、工場、倉庫、自転車の車庫なども特殊構造物に該当し、小さい倉庫も含まれます。

また、倉庫業を営んでいなくても該当しているので注意してください。こちらに該当する施設は、構造や設備が特殊なので、万が一のときに人命にかかわる事故が発生しやすいリスクが存在するのです。

たとえば、学校や病院などは大人数が集まっている場所。火災や地震が発生したときに、全員が避難するのに時間がかかることが予想されます。そのようなリスクを抱えているので、一般的な建築物よりも厳しい規定が定められているのです。

木造以外の建築物は条件がやさしい

特殊倉庫は床面積や高さなどに注意しなければいけません。100㎡以上の床面積があれば該当するようになっています。

建築基準法のなかでも、条件が厳しいのが木造の建築物です。階数や延べ面積などの条件をすべて満たさなければいけないのです。ただし、木造以外の建築物は条件がやさしくなっています。

消防のための設備を設置する

特殊倉庫で万が一火災が発生したときに、初期消火に対応できるように消防のための設備を設置しなければいけません。

こちらは消防法に定められていて、出火に対する規定が特に厳しくなっています。また、必要な訓練を行うなど、日頃から備えておくことが必要です。

特殊倉庫のメリットや注意点を知って、適切な使い方をしよう

特殊倉庫のメリットは、作業の効率化や保管効率の向上などが挙げられます。

導入するためのコストは高額ですが、長期的に見ると人件費が削減されるので、運営コストが低下するでしょう。

作業員の負担が軽減するメリット

たとえば、冷蔵倉庫で勤務する場合、作業員の労働環境はよいとはいい切れません。

また、危険物が保管されている倉庫で勤務するときも、そのように思われるでしょう。コンピュータが一元管理していれば、危険な目に遭わずに済みます。作業員の負担が軽減するメリットが挙げられるのです。

ヒューマンエラーが減少するメリット

ピッキングのときなどに、ミスが発生しなくなります。ミスが発生してしまうと、作業のやり直しなどで時間が割かれてしまいますが、そのようなことがありません。

コストが高額になるというデメリット

多くのメリットが期待できますが、導入するときのコストが高額になるのがデメリットです。そのため、導入するタイミングや価格などをきちんと検討しましょう。

まとめ

特殊倉庫を建築する前に、法律の内容を把握しておくことが大切です。とくに、木造の建築物の条件が厳しくなっているので、建築後にトラブルが発生しないように準備しましょう。特殊倉庫を導入するためのコストは高額になりますが、導入後の運営費が削減できる見込みなので、中長期的なスパンで計算すると利益が生まれやすいでしょう。

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