工場建築におけるSDGsの重要性とは?エコフレンドリーな建築設計

公開日:2023/08/15  最終更新日:2023/06/01


さまざまなシーンでSDGsが取り上げられるようになり、工場建築においてもSDGsは重要な検討事項となってきています。工場建築においては、環境や地球、自然に優しいエコフレンドリーな設計にすることでSDGsの達成に適う工場を建築できるでしょう。本記事では、工場建築とSDGsの関係について解説します。

そもそもSDGsの始まりとは

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの省略であり、持続可能な開発目標を意味します。前身としてミレニアム開発目標がありましたが、その後継として2015年の国連サミットにてSDGsは全会一致で採択されました。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として、17のゴールと169のターゲットから構成されており、先進国・発展途上国のいずれもが取り組む普遍的な取り組みです。

日本においては、2016年に政府によってSDGs推進本部が設置され、SDGs実施指針が定められました。一般社団法人 日本経済団体連合会も政府の動きを受けて企業行動憲章を2017年に改定し、SDGsの達成に向けた民間の取り組みが促されています。

工場建築におけるSDGsへの取り組みのポイント

工場建築は、SDGsとどのような関わりがあるのでしょうか。SDGsのゴールとして「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」というものがあります。強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図ることを目標としています。

このゴールの達成に貢献するものがESG投資です。ESG投資を意識することで、SDGsのゴールの達成につながる工場建築ができるでしょう。

ESG投資とは

ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取って作られた言葉です。ESGの考えは、国連から機関投資家に向けて2006年に提唱された「責任投資原則」に含まれていたことで広まりました。世界の経済発展が進む一方で、気候変動やサプライチェーンにおける労働問題、企業の不祥事といった経済社会の持続可能性を損なう問題が発生し始めました。

そこで、持続可能な経済社会を作るために提唱されたのがESG投資です。長期的なリスクを調整しつつ、リターンを改善するためにESG投資は有効なのです。ESG投資の考えは、SDGsのゴール・ターゲットと共通する部分も多いため、SDGsに貢献するものといえます。

工場建築とESG投資

工場建築において、ESG投資の対象としてはどのようなものがあるでしょうか。

まず、環境の点では、3R(Reduce・Reuse・Recycle)の推進やCO2の削減といったことが考えられます。生産工程で生じる廃棄物が少なくなる設備、LED照明、太陽光発電などが環境面での改善につながるでしょう。社会の点では、労働環境の整備、従業員の健康の確保といったことが考えられます。休憩室やシャワールーム、託児所などの整備のほか、健康に配慮した食事を提供する食堂や運動ができるジムを設けるのもよいでしょう。

企業統治の点では、情報漏洩を防ぐ対策の強化や多様な人材が活躍できる環境が考えられます。サイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策や女性の活躍推進、障がい者の雇用促進、高齢者の再雇用といったものが挙げられます。

工場建築のSDGs達成に向けた課題とは

ESG投資を踏まえつつ、工場建築におけるSDGs達成に向けた課題には次のようなものがあります。

SDGsの観点から見た課題

工場建築においては、ESGの中でもEnvironment(環境)はとくに意識を向けるべき重要な項目です。工場が排出した物質を原因とする大気汚染や水質汚濁により、周囲の環境や人々の健康に対して甚大な被害を与えた公害が発生したことは言うまでもありません。

これらの環境汚染を受けて大気汚染防止法や水質汚濁防止法といった環境保護のための法整備が進んだことで、工場の建設・運営にはさまざまな届出や許可が必要です。法律の要求に応えるうえでも、周辺の環境や住民の生活に配慮するうえでも、工場建築における環境対策の重要性は高いといえます。

エコフレンドリーな工場建設をするには

環境や地球、自然に優しいエコフレンドリーな工場を建設するための取り組みは、どのようなものがあるでしょうか。おもな取り組みとしては、次の4つが挙げられます。

1つ目は、排水処理設備の整備です。水質汚濁防止法では1日当たりの排出水の量によって排水基準が設けられているため、工場によっては排出水に含まれる有害物質などを排水基準に収まるようにしなければなりません。対象外の工場であっても、SDGsの観点から見れば排水処理設備を整備することが望ましいでしょう。

2つ目は、廃棄物の再資源化を想定した設備の採用です。生産工程においてはさまざまな廃棄物が発生しますが、適切に分別することで再資源化できるものも多くあります。どのような廃棄物が出るかは事前に想定しやすい部分でもあるので、工場の状況に合った再資源化の推進方法を検討するとよいでしょう。

3つ目は太陽光発電の採用です。工場は電力消費が大きいことが多いため、太陽光発電を採用することで電力会社の作った電力の消費量を下げ、CO2の削減に貢献できます。

4つ目は空調効率の改善です。工場は面積が広く、天井が高いことが多いため、空調効率の違いによって電力消費量が大きく変わります。性能の高い空調機を選ぶだけでなく、断熱材や断熱ガラスを採用するなど、工場の構造に注目した取り組みも大切です。

まとめ

工場建築とSDGsの関係についての解説でした。SDGsの達成に適う取り組みといっても、さまざまなものがあります。工場建築に関していえば「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」のほかにも「12.つくる責任つかう責任」や「13.気候変動に具体的な対策を」のゴールも関わりの深いものです。SDGsの達成に向けて求められている取り組みについては、各ゴールのターゲットとしてより詳しく示されています。この機械に、上記の9、12、13のゴールのターゲットだけでも確認してみてはいかがでしょうか。

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