工場建築時の設計士を選ぶポイントと注意点
工場を建築するときに重要な役割を担うのが、設計士です。設計士次第で、その工場が企業に合った工場となるかどうか変わります。しかし、工場建築時はどんな設計士に依頼すればいいかわからないという企業もあるでしょう。この記事では、工場建築時に設計士を選ぶときのポイントを解説します。
実績や経験が豊富にあるか
まずは、その設計士の方の実績や経験を見てみましょう。実績や経験は、設計士が所属する設計会社や建設会社のホームページに掲載されていることが多いです。そして、工場を設計した実績や経験が豊富にある設計士は信頼できるでしょう。
また、その設計士の方が設計した工場の写真なども見てみてください。これから自分たちが建てたいと考えている工場を設計できるか、過去に設計した工場の写真を見ることで判断できることがあります。似たような工場を設計した実績があれば、より安心でしょう。
設計力・デザイン力があるか
次に見るべきポイントは、設計力やデザイン力です。工場を設計するときに大切なのが、その工場で製品を生産する効率がよくなることを考えながら設計することです。そして設計する工場ごとに生産する製品は異なるため、その工場で生産する製品に合わせた工場の設計をする力が問われます。
さらに設計力に加えて必要とされるのが、デザイン力です。工場と聞くと、デザイン性の低いシンプルな造りの工場を想像する方もいるでしょう。
しかし、最近の工場は、おしゃれなデザインのところが増えています。デザイン性のある工場にするメリットとしては、社員のモチベーションが上がることや、取引先での印象がよいことが挙げられます。そのため、その企業や工場に合ったデザインで設計ができるかどうかも、設計士を選ぶうえで大切なポイントです。
人間的に信頼できるか
これは、工場の設計だけに限らず、ビジネスにおいて人間的に信頼できるかどうかは、非常に重要です。過去の実績や経験、そして設計力とデザイン力に加えて、その人の人柄を見てみましょう。信頼できる人の特徴としてよくあるのが、レスポンスが早い、一つひとつの質問に丁寧に返してくれるなどが挙げられます。
また、人間的に信頼できるかどうかと同じくらい大切なのが、コミュニケーション能力があるかどうかです。工場の設計をお願いするときは、どんな製品を生産する場所なのか、どんな工場にしたいかのこだわりなどを伝えることになります。書面でもやりとりはできますが、やはり直接会って、口頭でなければ伝えられないこともあるでしょう。
そのときに設計士の方がコミュニケーション能力に欠けていると、こちらの要望がうまく伝わらなかったり、逆に向こうがどんな設計をしようと考えているのかの意思が伝わってこなかったりします。
意思の疎通がきちんとできない人に、大事な自社の工場設計は任せられませんよね。そのため、人柄と合わせて、きちんとしたコミュニケーション能力があるかどうかを見ましょう。
住宅設計と工場・倉庫設計は違う
「設計士」と一言でいっても、工場や倉庫の設計ができる設計士は限られています。なかには、設計士としての経験だけで選んでしまう企業もありますが、その経験が「住宅設計」の場合は要注意です。
それは、住宅の設計と工場の設計では、規模や造りがまったく違うからです。住宅の設計経験が多い設計士が工場の設計をできないというわけではありませんが、建設中に設計の変更があった場合、迅速に対応できないことがあります。そのため、設計士のなかでも工場設計に強い設計士を選んでください。
安さだけを基準にしない
設計士を選ぶうえで重要になるのが、依頼費用です。工場建築では多くの費用がかかるため、設計士への依頼費用はなるべく抑えたいという企業が多いでしょう。
しかし、安さだけを重視して設計士を選ぶのは危険です。安さだけで選んでしまうと、思い通りのデザインにならなかったり、建設会社やそのほか機関との連携がとれなかったりというトラブルが発生するかもしれません。そのため、設計士を選ぶときは安さだけを重視して選ばないようにしましょう。
コストを抑えたいなら1つの建設会社に頼むのも手
それでも、工場建築のコストを抑えたいという企業は、設計と建設を別々の会社に頼むのではなく、設計と施工の両方を1つの建設会社に頼むのがおすすめです。デザインから設計、施工までトータルでやってもらえるので、コストを削減できます。さらに、1つの会社でやることで、工場完成までの時間も短縮することが可能です。
設計士は数多くいますが、そのなかでも工場の設計ができる設計士は限られています。ご紹介したポイントや注意点を参考に、企業に合った工場を設計できる設計士の方を選びましょう。また、設計と建設を一つの会社に依頼することで、時間もコストも削減できます。コストをなるべく抑えたい企業や、短期間で工場を建築したいという企業は、一つの会社に依頼することも視野に入れておきましょう。