工場建築・倉庫建築にかかる費用や坪単価は?
自社の工場や倉庫を建築したいと考えている企業は多いでしょう。そこで重要となるのが、工場や倉庫を建築する際にかかる金額ですよね。どこの建設会社に依頼するかでかかる金額は変わりますが、相場を知っておくことで、建設会社を選ぶときの目安になります。この記事では、そんな工場建築、倉庫建築にかかる金額と坪単価について解説します。
工場建築にかかる費用の目安
まず、工場建築にかかる金額は、2020年度時点での平均金額が1棟約1億9,700万円となっています。ただしこの金額はあくまで平均で、建築する工場の構造や工法によって変わります。
構造・工法ごとに見ていくと、木造だと約2,600万円、鉄骨鉄筋コンクリート造だと約4億2,400万円、鉄筋コンクリート造だと約4億100万円、鉄骨造だと約2億2,300万円、コンクリートブロック造だと約500万円が平均となります。
【アンケート】工場を建築するならどんな工法にする?
上記で工場を建築する場合の費用を、構造・工法別にご紹介しました。当然ですが、使用する材質によって価格が大きく変わってきます。
工場を建てるにしても費用を優先するのか、構造などを優先するかは人それぞれかと思います。どちらも大切な部分なので悩ましいですよね。
そうして悩んでいると、人の意見も聞いてみたくなるでしょう。もし工場を作るとすれば、どんな構造・工法にしたいと考える人が多いのでしょうか
そこでアンケートにて調査を行いました。
その結果、鉄骨鉄筋コンクリート造が半数を超える票を集める結果となりました。費用の目安を見ていただければ分かる通り、平均額が一番高い造りです。
とは言え費用がかかる分、頑丈な造りとなっています。工場を建てるなら費用より丈夫さで選ぶ人が多いということがわかりました。
次点で多かったのは鉄筋コンクリート造、逆に一番少なかったのはコンクリートブロック造となりました。あくまでこちらはアンケート調査での結果ではありますが、もし工場を作る際に参考になれば幸いです。
どんな工場にしたくて、費用はどのくらいを想定しているのかしっかり考え、後悔のない工場を建築しましょう。
工場建築費用の傾向や坪単価
それではここからは、工場建築金額の傾向と、坪単価についてお話します。
全国の平均建築費は下落傾向
全国の平均建築費を見てみると、2021年度は1坪約69.2万円となりました。平均建築費は、2011年は42.6万円でしたが、2015年には59.8万円まで上がりました。そして2017年は61.8万円で、その後上がり続け、2020年は70.0万円まで上がっています。しかしそこからわずかに下落し、2021年度の69.2万円となりました。
工場建築の平均坪単価
工場建築金額を大きく左右するのが、坪単価です。ここで注意していただきたいのが、先ほどご紹介した1坪あたりの工場建築費の平均と、坪単価の平均はイコールではありません。同じ坪単価の土地に工場を建築する場合でも、その工場の構造はもちろん、内装工事や外構工事によっても建築費は異なります。
さらに工場建築では、衛生工事や設備費用、建築申請費用などもかかってくるため、坪単価と1坪あたりの建築金額は必ずしも一緒とは限らないのです。2021年度の工場建築の坪単価の平均は、約71.7万円となります。
そしてこの坪単価も、建築する構造や工法によって異なります。木造の坪単価は約44.9万円、鉄骨造だと約69.2万円、鉄骨鉄筋コンクリート造だと約141.7万円、鉄筋コンクリート造だと約202.2万円となります。
そして日本で建設される工場の中でもっとも多いのが、鉄骨造です。そのため、鉄骨造の坪単価の平均と全体の坪単価の平均の数値が近くなっています。多くの工場建築で鉄骨造が選ばれるには、理由があります。
それは、木造よりも高い耐震性と耐火性を備えた上に、大開口の広い空間を作ることができること。そして、鉄筋コンクリートよりも金額を抑えられることが挙げられます。
都道府県別坪単価
坪単価は、構造や工法のほか、都道府県によっても異なります。日本の中で坪単価がもっとも高いのが神奈川県で、坪単価110.1万円です。次に埼玉県で104.9万円、秋田県で98.6万円、宮城県で95.6万円と続いています。そして日本のなかで、坪単価がもっとも低いのが愛知県の40.6万円となります。次に香川県で44.5万円、和歌山県で47.2万円です。
倉庫建築費用の傾向や坪単価
倉庫の建築金額は、工場建築金額よりも安い傾向にあります。倉庫を建築する際の全国の坪単価の平均は、約43.5万円とされています。そして工場建築と同じく、倉庫建築も、その倉庫の構造や工法によって坪単価が変わります。木造の倉庫の場合の坪単価は約36.3万円、鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は約46万円、鉄骨造の場合は約43.1万円です。
そして倉庫でも、日本では鉄骨造で建築されることが多いため、全国の坪単価の平均と鉄骨造の坪単価は近い数値になっています。倉庫建築にかかる金額の目安として坪単価は重要ですが、倉庫建築は坪単価以外にもさまざまな金額がかかります。
主な費用は、内装工事、外構工事、地盤補強工事、電気工事、給排水工事、空調、セキュリティにかかる金額、確認申請費用、図面作成費用などです。坪単価は同じでも、そのほかの金額は依頼する建設会社によって異なります。そのため、倉庫建築金額を比べたいときは、坪単価ではなく、倉庫建築全体にかかる金額を比較するようにしましょう。
よくある質問
一般的に2階建ての方が安く済む傾向にあるそうです。平屋は総2階建ての場合と比較して単純に屋根と基礎の面積が2倍となるのでその分コスト高になるという仕組みとのことです。
しかし、工場内で重量の大きな機械を設置する場合や作業内容、面積、工法などによっては平屋の方が適している場合もあるようです。
寒冷・豪雪地域では工事の着工機関によって、冬季養生などによりコストがやや高くなってしまうこともあるそうです。
工事価格に影響する要因は多数あるそうです。一例として、建物の形状は正方形に近い形状の方が工事費を安く抑えられる傾向にあるそうです。同じ1,600㎡の広さの建物でも、8m×200mの場合、外壁の総延長は416m、40m×40mなら160mと外壁総延長で約3倍の差が出てしまうからとのことです。
また、外壁材だけでなく下地材、鉄骨などがこの差で増えてくるためその分コストが変わるそうです。
そして、仕上げ材や天井の高さ空調設備、地盤の状況など様々な変動要因があるようです。
ほとんどの工場建築業者では、プランの作成や見積もりは無料でお願いできるそうです。プランや見積もりに納得し、契約をした時点から料金は発生するようです。
坪単価を知りたいときには?
工場や倉庫を建築するにあたって、目安としてまずは坪単価を知りたいという企業もあるでしょう。坪単価を知りたいときは、工場や倉庫の建築に強い建設会社に問い合わせるのがおすすめです。
建設会社によっては、坪単価だけでなく、その土地に工場や倉庫を建てた時の建築金額の総額の目安を提示してくれるところもあります。そのため坪単価を知りたいときは、工場や倉庫の建築実績がある建設会社に問い合わせてみましょう。
自社の工場や倉庫の建築金額は、建築費の平均や坪単価の平均を目安にできます。ただし、それらはあくまで目安であり、どのような工場や倉庫を建築するかによって、かかる金額には幅が出てきます。それを頭に入れた上で、工場や倉庫の建築をする際の参考にしてみてください。