自社のニーズに合った工場の建築方法とは?工法別の特徴を紹介!

公開日:2022/12/15  最終更新日:2022/10/11

皆さんは家を建てようと思ったら、どのようなことを考えて建てるでしょうか。恐らく、多くの人は予算や立地などを考えて建てる人が多いのではないでしょうか。それは工場建築であっても同様で、立地や予算など、建てたい人の希望にそって建築をしています。そこで今回は、ニーズに合わせた工場建築方法について詳しく紹介していきます。

低コスト・短工期のプレハブ工法

一口に「工場」といっても建築工法が変われば、工場の機能や特徴は変わります。まず初めに紹介するのは『プレハブ工法』についてです。どのような特徴があるのかみていきましょう。

プレハブ工法とは

「プレハブ」とは工場で柱や梁、床、パネルといったパーツを生産・加工し、建築現場で直接組み立てる工法のことです。そんなプレハブ工法のメリットとしては、あらかじめ生産しておいた建物のパーツを組み立てるので、短工期であること、パーツは大量生産してストックしてあるので、低コストで建築可能なことです。

また、強度が高く寿命20年で長持ちするといったことがあります。このように「短工期・低コスト・長寿命」と三拍子揃ったプレハブは最近では防音・防寒なども改善されてきており、使用する人がさらに使いやすくなってきています。

一方デメリットとしては、規格に合わせて建てるため、形状の自由度がほとんどないことや小規模な倉庫・工場でも柱が設置されるので、物品保管や運搬などの邪魔になってしまうことがある、などがあげられます。

また、プレハブ建築では、敷地境界線の3m以内、またはほかの建物の6m以内に建てようとした場合、防火対策が求められ、コストが上昇することがあります。その点も注意する必要があるでしょう。

柔軟性のあるシステム建築

次に『システム建築』についてみていきましょう。これは、先ほどのプレハブ工法とどのような違いがみられるのでしょうか。

システム建築とは

システム建築とは、設計と生産をシステム化した工法のことをいいます。「こんな倉庫・工場を建てたい」という要望に応じて、コンピューターが可能な限り自動で見積や設計、生産などを行います。

そんなシステム建築のメリットとしては「何に使用するか」「どのような間取りにしたいのか」によって、素早く見積もることができること。一定の規格はあるもののCADパーツ設計が可能なことや、設計と生産を徹底的に合理化・システム化しているので、低コストで建築が可能になることです。

そのため、ニーズや環境に応じた工場を柔軟に建てることができるうえ、生産ラインも可能な限り自動化しながら行うことで、熟練工を必要とせず、高品質のパーツを格安で安定生産することができます。

他にも寿命は約30年と長く、耐震性が高いといったこともあがります。このようにシステム建築は「高品質・低コスト・短工期」というプレハブ工法とはまた違った特徴の三拍子が揃っています。一方でデメリットとしては、外観のデザインに関し、自由がきかないといったことがあがります。

日本の伝統的な在来工法

最後に紹介するのは『在来工法』です。これはプレハブ工法やシステム建築とどのような違いがあるおでしょうか。詳しくみていきます。

在来工法とは

在来工法とは、一般住宅や旅館、神社などで広く利用されている日本の伝統的な建築工法のことです。いくつかの柱を垂直にたてて、柱と柱を梁でつなぐ「軸組(線材)」で建物全体を支えます。

メリットとしては材料選択の幅広く、その分造りやデザインの自由度も高いところ、そして寿命が30年と長いことなどがあげられます。『設計、デザイン、素材』の3つを自由に追及できる建築は在来工法の強みであり、オリジナリティを出しやすく、大変魅力的だといえます。

日本の伝統工法であることから、熟練工による洗練された技術とデザインで、ほかにはない唯一の建築ができるのも十分なメリットだといえるでしょう。

一方でデメリットとしては自由度が高い分、設計に時間と費用がかかってしまうという事があげられます。自由度が高い分、デザイン性などを追及しすぎてしまい、思った以上に予算が膨れ上がってしまうことはままあることです。

また図面ができてからでないと費用を見積もれないため、機能性・経済性を優先する倉庫建築などには、やや相性が良くない工法といえるかもしれません。

まとめ

今回は、工場建築方法について、工法別に3つ紹介していきました。いかがでしたか。短工期・低コストで、とにかく急いで建てたい場合はプレハブがいいでしょうし、耐久性や機能性重視ならシステム建築もいいでしょう。時間や予算は気にせず、自社オリジナルのデザインを追及した工場を建てたいなら在来工法がおすすめだといえます。

どの工法もメリット・デメリットがありますので、予算や立地など、優先順位をよく考えて納得のいく工場を建築していくことが大切です。工場建築に興味のある方は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

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